オリンピックと下宿人とライカ犬。

炎のランナー」はすぐれた青春映画だ。


あの あまりにも有名なテーマ曲を、ビデオで作品を見る前からよく耳にする機会があったので、初めて見たときには、「この映画の曲だったのか!」と。


せっかくオリンピックに出場できる、となった時に、敬虔なクリスチャンの青年が、自分の出場する種目が日曜日にあるとわかると、「安息日には走れない」と言う場面では、失礼ながらついつい「ちょっとぐらいええやんもったいない、オリンピックオリンピック!!」と思わずにはいられない。


アトランティスのこころ」や「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」など、もう少し幼い少年が主人公の作品も、青春映画のひとつとして見られると思う。

不思議な下宿人の記憶が、年を経てもいつまでも脳裏に残っている、それを静かに思い出すような「アトランティスのこころ」。


人工衛星に乗せられたままずっと地球の周りを回っているライカ犬はかわいそうだ、それに比べたら僕の人生はまだマシだ”と、日々懸命に生きる少年を描く、「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」。


“過去”が遠い世界のような、今もそこにあるような。


ほかに思いだす映画といったら、「ゴーストワールド」。共感できる、というより納得できる人物が描かれている青春映画といえばこれだった。


ただ明るいだけの若者が主人公ではなく。情けないスティーブ・ブシェミ(ハマリ役!)、そのブシェミ演じる人物への、主人公たちの接し方が面白い。





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