「UFO少年アブドラジャン」「プラン9・フロム・アウター・スペース」 手作りSF。

たしか93年頃制作で数年前公開された、ウズベキスタンの映画「UFO少年アブドラジャン」。


ウズベキスタンのとある村の村人が、地球に取り残された宇宙人の少年と出会って、その少年の世話をすることにする。


アブドラジャンと名づけられたその少年は、様々な不思議なことを起こしてみせるが、“散髪してもしても一瞬で髪が元に戻る”とか、”家ほどもある巨大なスイカが畑に出現する”とか、間が抜けている感じで妙にのどか。宇宙センター(?)みたいな所が映る場面も、当時の軍が協力している、と雑誌では読んだが、「本物?セットでは…」と失礼ながら思うような簡単な造りで、とにかくすべてがのどかに見える。


アブドラジャンの力で村人が箒に乗って飛ぶシーンでは、どう見ても、背景にクレーンの影が写っている、という具合。


手作り感あふれる、90年代に作られたと思えないような雰囲気だが、それが味になっている。


手作り…そういえば1本だけ見たことのあるエド・ウッド作品、「[]プラン9・フロム・アウター・スペース」は、手作りと言おうかなんと言おうか、逆さにした灰皿が飛んでるような宇宙船、計器類などまったくなく、申し訳程度に操縦桿だけある“ただの白い小部屋”状態の飛行機のコックピットなど、“B級の帝王”と呼ばれるエド・ウッド作品、B級を極める姿勢がむしろA級、ツッコミどころが多々あって、面白いことこの上なかった(ラストでは“まさか、この映画にメッセージをこめたのか”という感じだったのも意外)。


“手作り感”ではないが、クリント・イーストウッドの「スペース・カウボーイ」は、イーストウッドトミー・リー・ジョーンズの殴り合いのケンカのシーンに、演技にも関わらず、「イーストウッドもう70、もう70…」とハラハラした。


「UFO少年アブドラジャン」は、“前略、敬愛するスピルバーグ監督”という手紙の書き出しで始まる。“「E.T.」を見て、私の村でもこんなことがあったのを思い出しました”と。 エンドロールでは、しみじみと虫の音が流れている。





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