「クレイマー、クレイマー」 フレンチトーストが食べたい。

映画に出てくる食べ物は、妙においしそうに見えて気になる。


食べ物が重要な小道具として出てくるシーンのある作品で有名なものといえば、なんといっても「クレイマー、クレイマー」。


メリル・ストリープ演じる妻に出ていかれてしまい、それまで仕事人間だったダスティン・ホフマン演じる男は急に幼い息子の世話に追われることになる。全くやっていなかった家事を突然やることになっても、当然のことながらうまくいかない。台所に息子を座らせながら料理に挑戦しても、フレンチトーストすらうまく作ることができない調味料の置き場所を息子に教えられたりしている。


とにかく無我夢中で息子の世話に邁進、公園でケガをすれば息子を抱えて血相を変えて医者に走る。その合間にも離婚の話は進み、親権は妻に渡る。


妻が息子を迎えにくる日の朝、朝食のフレンチトーストを作る様はすっかりムダのないもので、最初に調味料の場所すらわからなかったことも嘘のように、散らかすこともなく、片付いた台所で手際よく作っている。(迎えに来た妻は “あの子の家はここ、やはりここに居るほうがいい” と言って泣き崩れ、主人公が “2人で話しておいで” と促し、妻が部屋に向かい、エレベーターが閉まったところで映画は終わる。)


冒頭とラストでのフレンチトーストを作る手際の違いだけで、それまで家族をかえりみることのなかった主人公と、息子を世話するうちに家庭を思うようになる主人公を対比して描き、なおかつ時間の経過も表していて、この作品の全てを如実に語る象徴的シーンであり、やはり名場面だ。


そういや「タクシードライバー」のコーラもたびたび目についた。デ・ニーロが机に向かう時はかたわらに必ずコーラがある。






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