映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「アレクセイと泉」「テルミン」 ドキュメンタリーの人々。

日本のドキュメンタリー映画で、86年のチェルノブイリ原発事故の影響を受けた旧ソ連の村が舞台の「アレクセイと泉」。


事故後、放射能の影響が強く、国から全戸退去命令が出、地図からも消された小さな村。


しかし老人たちは、今更都会での生活はできないと、その後次々と村に戻ったという。それに対し若い人々は都会に留まったが、アレクセイという青年が一人、老人ばかりでは力仕事などが大変だろうと、村に残った。


アレクセイ達、村の人々の生活を映す。


村には泉があり、それは生活用水であり、またその恵みに感謝して祭りの日には祈りを捧げる、村の象徴のような存在。雪深い冬もつねに村人たちのためにある。


不思議なことに、泉からは、あの事故の後も放射能が全く検出されないという。林や、土や、至る所から、もう何年も経つにも関わらず、検査の度にいくらかは検出されるのに、泉からはまったく、と。理由は解らないという。信心深い老人たちは、心底から信じているという、奇跡だと。


“奇跡の泉”からは、このドキュメンタリーが撮られた時点でいちばん新しい検査の時にも、やはり検出されなかったとのこと。


驚いたといえば、まるでフィクションのようなドキュメンタリー、「テルミン」(静かにテルミンブームも起こっていた、そういえば)。


世界初の電子楽器テルミンを開発したレオン・テルミン博士を追ったドキュメンタリーだが、博士の数奇な人生にとにかく驚く。


手で触れずとも音の出る不思議な楽器を発明したものの、その音の特徴から映画創世時代のSFで宇宙人が登場する時などの怪しい雰囲気を出すのに使われたため、そのイメージから楽器はあまり世間に浸透しなかった。と思ったら博士は当時のソ連・KGBに軍事開発の研究のため、なんと誘拐され、そのまま消息不明に。あっけにとられる実話だが、その後そのままソ連の研究機関に留まって、数十年経って自由の身に。


ラスト、もう90歳にもなった生前の博士が、昔の知人を訪ねる。博士の穏やかな表情が印象的だ。


黒いコートに帽子、ゆっくり歩いてゆく後ろ姿。想像を超える人生を送った人の静かな後ろ姿。






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