映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「ディナー・ラッシュ」「レオン」「海辺のレストラン/ガスパール&ロバンソン」 映画の中のレストラン。

何に関しても、その舞台裏なるものにはなぜだか惹かれて、たとえば映画の制作現場を撮影したドキュメンタリーなども興味深くて面白い。


様々なものの舞台裏を描いた映画の中で、レストランのあわただしい舞台裏が登場するのが「ディナー・ラッシュ」。店のオーナー、オーナーの友人、厨房のシェフ、ウェイター、そして客たちの群像劇。


およそカタギではないオーナーに、“どんなジャンルのどんな質問にでも答えてみせましょう”と豪語するバーテンダー、シェフ同士の会話… お客が談笑する店の奥では、活気あふれる厨房の音にまぎれて夜な夜な様々な人間模様が繰り広げられる。


しかし、この映画の中に描かれたこの日この夜、この映画のラストで、もっとも観客の目を奪い、場をかっさらってゆくのは、バーカウンターに座る一人の男の正体だ。その展開に、そうきたかとヒザを打ちたくなってしまった観客多数、と思われる。あぁ、レストランって。


「レオン」に出てくる、トニーの店も、裏の顔を持つレストランだった。なんせ、“仕事”の斡旋だ。何にでもある、もうひとつの顔。


でも、皿と皿の鳴る音や、素朴な生活感をもって映画の中に描かれるレストランを見るのは面白い。



もっとも好きな“映画の中のレストラン”は、「海辺のレストラン/ガスパール&ロバンソン」の、あの二人の店だ。


二人でレストランをひらくのが夢だった、ガスパールとロバンソン。店は、海のそばの廃屋を修理する。どんな椅子やテーブルを置くか考える。お酒も飲める店にしたい。


映画の中の二人はとても楽しそうだ。悪ノリが高じて夜中知人の家に勝手に上がりこみ、勝手に食事をした挙句に、二人でしてやったりと声を殺して笑う姿といったら。


家族のない二人は、砂浜で知り合った身寄りのないこどもやおばあさん、果ては犬まで連れ帰ってともに暮らす。放っておけないのか、自身と重ねて見ているのか… 海辺の青と砂の色、パラソル、はためく洋服。鮮やかな景色が浮かぶ。


そんな時もいつまでもは続かない。形はそのうち変ってしまう。


ふざけて知人の家を“二人専用のレストラン”にしてしまったガスパールとロバンソン。その二人が、一緒にひらくはずだった海辺のレストラン。


“映画の中のレストラン”なら、この店がいちばん好きだ。






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