「ゴスフォード・パーク」「ザ・セル」「フェイク」 映画と衣装。

衣装に目がいく映画といえば、やはりおもに時代もの、あるいは実際に50〜70年代に作られた映画だ。


ヨーロッパの宮廷を描いた作品の豪華絢爛な衣装や、19世紀末から20世紀初頭を描いた作品の装い、1920〜30年代の設定である「ゴスフォード・パーク」のような作品(近い時期に公開された作品に、同じく1930年代頃の設定の「8人の女たち」があったが、こちらは微妙に現代風、やはり「ゴスフォード・パーク」が秀逸)。


そして60〜70年代のトリュフォージャン=リュック・ゴダール作品。トリュフォー作品の中でジャン=ピエール・レオーやクロード・ジャドが着ていた洋服、ゴダール作品の中のアンナ・カリーナ。ストーリーが映画の中で時代を超越している「オルランド」も美しかった。設定は現代ながら、脚本・演技など作品についてのこと以上にその美術と衣装デザインのアイディアの豊富さと奇抜さに感嘆したといえば、「ザ・セル」。


しかし、インパクトという面では、なんと言ってもアル・パチーノジョニー・デップ主演の「フェイク」だ。デップ主演で言えば「スリーピー・ホロウ」の衣装もとても好きだが(あの黒装束)、70年代の設定で、サングラスからシャツの柄に至る細部にまで凝った衣装の「フェイク」では、アル・パチーノの赤ジャージ姿がとにかくものすごい意外性である。なんせアル・パチーノにジャージを着るようなイメージがもうまったくないだけに、初めて見た時にはとにかくびっくり。アル・パチーノがジャージって、ジャージって…と驚いた次第。






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