第77回アカデミー賞

今年こそはスコセッシ監督を、と多くの映画ファンが思ったに違いない今回、見事に「ミリオンダラー・ベイビー」が主要部門を持っていってしまった。


多くそんな声が出ていたように、「アビエイター」と予測していた一人なだけに、作品・監督賞は、あぁそうなったか、という感じ。スコセッシ監督は今年もまた無冠の巨匠の異名、返上ならず。


演技部門は、今回は主演女優賞にびっくり。年齢的に考えてもヒラリー・スワンクの2度目はまだないだろうと思っていただけに… 予想外の受賞がある年はだいたい助演賞にそういうイメージがあるが、今回はむしろ助演賞こそ予想通り、もっとも有力視されていた人がとったという感じだ。ケイト・ブランシェットの受賞がファンとしては嬉しい。


主演男優賞も予想通りだし順当だったのではないだろうか。日本のマスコミは、なぜかレオ、レオと言いたてて、まだ受賞していないことがおかしいというくらいの言いようだったが、まだまだこれからではないだろうか。
ディカプリオとダニエル・デイ=ルイス共演の「ギャング・オブ・ニューヨーク」を引き合いに出し、“なぜか仇役の俳優(デイ=ルイスのこと)が主演賞にノミネートされたことも”などという、そりゃいくらなんでもダニエル・デイ=ルイスに失礼だろう、と思える言い方もされていたが、あれがなぜデイ=ルイスが主演賞にノミネートされたかは作品を見ればわかることだ。とりあえず、今回とにかくスコセッシ監督は残念だった。


アカデミー賞の前日といえば 恒例のラズベリー賞だが、今年見事に受賞してしまったハル・ベリー、スピーチにわざわざ来たところがいい。「アレキサンダー」はものすごく大変な撮影だったと聞くし、あの大熱演見た後だとさすがにラジー賞はお気の毒、と思うので、コリン・ファレルが最悪主演男優じゃなくてよかった。






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