「宇宙戦争」 破壊の果て。

WAR OF THE WORLDS
2005アメリカ
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ ダコタ・ファニング



恐怖を感じた時の人間の反応や、生きるか死ぬかの瀬戸際になると人を蹴落としてでも自分だけは助かろうと争いを繰り広げる人間の姿の描き方は、数多ある同ジャンルの作品の中でも群を抜いており、そこはやはり、さすがスピルバーグによる演出というべきか。


やけにあっさりと事態の収束を見せ、家族みんなが無事会えるラストは、これまたいかにもスピルバーグ的、“スピルバーグヒューマニズムは甘い”と言われてきた特徴が、良くも悪くも表れている。


“街は崩壊し、住む所を失っても家族は生き残った” という形で希望を描こうとする。
それがスピルバーグの主義なのか、今までの作品と違いこれだけ人間が攻撃されるSFを撮ってもなお、究極の絶望は描かれない、描こうとしない。







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