「ライフ・アクアティック」 海と人生。

THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZISSOU
2004アメリカ
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ビル・マーレイ オーウェン・ウィルソン
    ケイト・ブランシェット



あえてチープに作られたセットやいまいち緊迫感のないとぼけた銃撃戦、凝った小道具に架空の動物、何もかもが魅力的。ひとクセある登場人物たちと、所々に散りばめられている、ひきつけられる台詞。


船の断面のセットでは、まるでドールハウスに人間が入ってしまったかのようだ。チーム・ズィスーの濃いメンバーに、水色でそろえたユニフォーム。メンバーのリーダーは、破天荒で無表情な船長ズィスー。


ズィスーの息子と名乗る青年が現れて、仲間の仇をうつために幻のジャガーザメを追う航海に出て、さらに海賊に襲われる。


次々起こる流れに乗ったりのみこまれたりの登場人物たち。やっかいなことがいくつも起こるし、悲しいことも起こるし、ダメな人はダメなまま、社会に適応できない人は適応できないまま。


そこに共鳴するし、心地いいのだ。出来上がった社会の規範からズレていく滑り具合が。


すべてのシーンが見所になっている。






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