「チーム★アメリカ ワールドポリス」 皮肉と嘲笑の人形たち。

TEAM AMERICA:WORLD POLICE
2004アメリカ
監督・脚本・声:トレイ・パーカー
脚本・声:マット・ストーン



あえて人形劇で、しかもかなり下品なシーンも多い分、風刺・批判の精神よりもバカバカしさの方が際立つ。もちろんそれが狙いだろう。


政治的発言が多いというイメージがすっかり定着したスーザン・サランドンショーン・ペンがヤリ玉にあげられているのをはじめ、マイケル・ムーアなど、ネタにされている人多数。


明らかに男の声の女性キャラクターが多いと思ったら、エンドロールを見ていると監督の名前がいくつものキャラクターの欄にずらっと並んでいて、監督自ら吹き替えまくっていたらしく、笑えた。くぐもった声で“まーっと・でいもーん”としか言わないマット・デイモン人形も、かなり観客の笑いをさそっていた。


途中挟みこまれる、モンタージュ手法を皮肉った歌や、“ベン・アフレックには演劇学校が必要”だとか “マイケル・ベイより失敗をおかした僕”だとか “彼女を失った僕でも「パール・ハーバー」よりマシだ”とか、キャラクターの失恋を歌いながらマイケル・ベイと「パール・ハーバー」を思いきりこきおろした歌にはふきだしてしまった。


ツボだったのは、某国総書記をモデルとしたキャラクターが、黒ヒョウに人を襲わせようとするシーン。黒ヒョウという設定なのだろうが、人形でなく2匹の本物の黒ネコが、黒ヒョウ役をやっているのだ。なんといっても人形に対しての大きさがちょうどいい、ちょうど黒ヒョウサイズ。


しかもそのネコに、トラなどの大型ネコ科動物の声がかぶせてあるのがかなりツボにハマって、笑ってしまった。






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