映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「キング・コング」 ピーター・ジャクソン版。

公開前に予想された程にはヒットしなかった感があると言われる「キング・コング」。


ロード・オブ・ザ・リング」シリーズとついつい比べてしまうからだろうが、あれだけ長いスカルアイランドのジャングルでのシーンがあってなお、3時間を退屈させない仕上がりは、やはりさすがの手腕。ファンタジーであるLOTRを、歴史もの並みのスケール感に仕上げたことを思いださせる。


オリジナルの「キング・コング」にあまり親しみがないというか、つまりは見たことのない、見る機会がまずなかった世代としては、オリジナルとの比較ができない。そのぶん新鮮ではあった。


ピーター・ジャクソン作品の魅力は、執拗なまでに凝ったつくりとその作品に対する偏愛とも受け取れるこだわり、グロテスクさのある味付けに、いわゆるハリウッド大作にはおさまらないだけのものに仕上げる演出手腕だと思えるが、それに加えてキャスティングの妙というのもある。


主人公がナオミ・ワッツというのもよかったし、映画監督役にジャック・ブラックを選ぶところも面白い。船長がドイツ人俳優トマス・クレッチマンだったり、船員にジェイミー・ベルがいたりするのもいい。そしてLOTRにつづき、“影の功労者”アンディ・サーキス


アンディ・サーキスが一度演じたコングの動きを取り込んでから、CGで肉付けされたキング・コングだが、やはり同じCGでも人間の動きをもとにしたものとそうでないものは、画面でみせる表情が違う。


CGなのに妙に人間味漂うコングとなったことも、作品を単なる大作とはひと味違うものにした要因かと思える。


そしてなにしろこの作品は、9歳のころオリジナル版を見て映画監督になろうと決めたという監督のなみなみならぬ思い入れを、手にとるように感じることができる。


劇中、ジャック・ブラック演じる映画監督カール・デナムについて、その助手と 脚本家ドリスコルとの会話のシーン:
助手「彼は正しかった 世界にはまだ謎がある それを映画の入場料だけで観客に見せると」
ドリスコル「彼はそういう男だ 愛するものを破壊せずにはいられない」


何よりも映画を撮ることを優先させ、危険をかえりみずすべてを映画制作に注ぎ込むカール・デナムの姿は、LOTR3部作をあれだけの作品に撮りあげた監督ピーター・ジャクソンと重なって見える。





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