映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「マンダレイ」 雄弁な白線。

MANDERLAY
2005デンマーク
監督:ラース・フォン・トリアー  
出演:ブライス・ダラス・ハワード ウィレム・デフォー



二コール・キッドマンが主演し、最初に上映されたカンヌ映画祭で物議を醸したという「ドッグヴィル」の続編、ラース・フォン・トリアー監督による“アメリカ3部作”の2作目「マンダレイ」。


全編がアメリカに対する風刺と皮肉で彩られている。


ドッグヴィル」と同じく、「マンダレイ」でもセットがない。倉庫のような薄暗い空間に白線が引かれているだけ。村の入り口を表す鉄の門、マンダレイの村を支配していた“ママ”と呼ばれる女性の家のほかには、車、井戸や窓枠、ベッドなど最低限の物があるだけで、マンダレイにある林や畑、住人の家もすべて白線を引いて表されている。


なおかつ周りを覆う暗がりが閉塞感をつくりだし、その閉塞感の中で閉じられた村の物語が展開する。


ドアの開け閉めすら、何もない空間の中で俳優の手の動きだけで表されるのだから、たしかにほかの映画とは明らかに異質ではある。


しかし、人物以外に目に入るものを極力排している分、ストーリーそのものがより際立つ、という効果は確実に感じられる。


このような“セット”にした意図を考えるなら、『どんなことでも、虚飾を剥ぎとればしょせんこんなもの』というとこだろうか。


主人公グレースを演じるのは、前作のニコール・キッドマンにかわり、M・ナイト・シャマラン監督の「ヴィレッジ」に主演していたブライス・ダラス・ハワード
線の細いニコールのグレースとは違ったグレースが出来上がっている。もう少し溌剌としていて、ギャングの娘らしくない感じだ。


ギャングの親玉であるグレースの父親が、前作のジェームズ・カーンからなぜかかなり若返ってウィレム・デフォーになっていた。キャスティングが変わるにしてもなんで急にそんなに若返らせたんだか。最初は父親に見えなかった。


カンヌに「ドッグヴィル」出品の際、『実際に行ったこともないのにアメリカを批判・風刺するのか』と記者たちにさんざんつっこまれた挙句、『絶対3部作を撮りきる』と怒りを露わにしたという、飛行機嫌いのラース・フォン・トリアー監督。3部作のラストの、おとしどころが気になるところだ。






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