映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「ロシアン・ドールズ」 停滞する青春。

RUSSIAN DOLLS
2005フランス=イギリス
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:ロマン・デュリス オドレイ・トトゥ



フランス人青年グザヴィエがスペインに留学し、様々な出身・境遇の留学生たちが暮らすアパートで日々を送る様を描いた「スパニッシュ・アパートメント」の続編が、この「ロシアン・ドールズ」である。


特にヨーロッパでヒットしたという1作目。
“その後”を描いたのが2作目「ロシアン・ドールズ」だが、新しい環境に目を輝かすグザヴィエが描かれた1作目に対し、微妙に表現を変えた2作目では、年を経た分、やみくもに突き進むかわりに行き詰まって悩み、停滞する情けないグザヴィエが描かれる。こっちの方が個人的には面白かった。


主演は、トニー・ガトリフ監督作品「愛より強い旅」などで、いい意味でふてぶてしいくらいの存在感を見せ、不思議な魅力のあるロマン・デュリス。このシリーズでは情けなくも親しみやすいキャラクターを演じて、年を重ねたがゆえの雰囲気も醸しつつ、線の細さとたよりない若々しさをたたえていた初期の出演作(「ガッジョ・ディーロ」ほか)をも思い出させる。


これまでの作品で、繊細であり大胆であり、様々に揺れ動く“若さ”をスクリーンに残してきたロマン・デュリスが、グザヴィエを演じたことがよかったのだろう。それが主人公の様々な感情の機微を見せ、観客の共感を得るものとしてグザヴィエの人物像を成立させる要因になっていたように思う。


ロシアン・ドールズ」には、“グザヴィエの今の状況を具現化するとこんな感じ”という映像が唐突に入るのだが、これまた妙な空気で笑わせる(こういう表現ができるのが映画の醍醐味のひとつ)。


たとえば、仕事をもらおうと大ボラをふくシーンでは、ピーヒャラと笛をふきつつ踊るグザヴィエが登場。


とにかく毎日見ていたいほど美しいモデルの女性との関係が壊れた時には、ロシア人が“理想的”と評する、幅25m・両壁の高さ25m・長さ250mの道路にその女性をなぞらえ、『いくら外見が良くたって現実味がないじゃないか、こんなもの本当にほしかったのか?こんな道路ぜんぜんいいと思わない』とキレながら踊るグザヴィエが。


コミカルなロマン・デュリスも意外にいい。






06.6.1