映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」

PIRATES OF THE CARIBBEAN:DEAD MAN'S CHEST
2006 アメリカ 
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ジョニー・デップ
    オーランド・ブルーム



昼間は混雑が確実と思われるので、初日レイトで見に行った「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」。


コミカルなシーンが1作目よりふえて、ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウの調子のよさもマンガっぽさもより増していた。


悪役海賊たちはせっかくビル・ナイステラン・スカルスガルドなど渋い俳優が演じているのに、青い顔のスカルスガルドはまだしも、ビル・ナイに至ってはCGに覆われてもはや原型をとどめておらず、かろうじて見える生身の部分である薄いブルーの眼で、『ビル・ナイ……の、はず』という程度。


頭がそのまんま海の生き物の形をしている手下たちが、アルチンボルドの絵みたいで面白かったが。シュモクザメの頭をした手下には笑ってしまった。


見始めてすぐは、1作目はどんな話だったっけかと思ったものの、いろんなシーンは浮かんできても具体的なストーリーはイマイチ。この手の大作は“見たら終わり”でどうもあんまり自分の中に残らない。さっさと通り過ぎていってしまって深く刻まれないのは大作の常だ、ジョニー・デップが出ていてさえ。


そもそも1作目の時、ジャック・スパロウの強烈な役作り自体はさすがと言うよりほかにない程だったものの、ジョニー・デップのそれまでの出演作とはあまりに毛色の違う作品で、以前の出演作が好きだった者としては、このシリーズへの出演にはちょっと驚いた。なんせブラッカイマーにディズニーだ。『子供と一緒に見られる作品に出ようと思って』と、ゲイリー・オールドマンがSFに出演した時と同じことを、たしか、インタビューで答えていた。


1作目の時のアカデミー賞ノミネートも、あからさまで、なんだかいやだったのだ。それまではジョニー・デップにどれだけの名演があってもノミネートなどなかったのに、ディズニーの大作に出演するとすぐさま主演男優賞にノミネートとは。


ジョニー・デップ来日の時の盛り上がり方にもちょっと驚いた。たしかに、ジャック・スパロウを演じる前から人気も知名度もあったが、こんな、トム・クルーズみたいな万人受けしてたっけ……と思うと、恐るべしジャック・スパロウ効果。


しかし、この異様な盛り上がりを担っているのは、ジョニー・デップファンというよりジャック・スパロウファンだろう、という感じがどうしてもしてしまう。演技そのものを味わうよりは映画のキャラクターのかっこよさにひかれているような。


これまでの作品で積み上げられてきた演技そのものより、今のような、ジャック・スパロウというキャラクターによった人気は、以前からのファンとしては少しさみしい。ほかにもたくさん、いい作品、いい演技があるのに、と言いたくなってしまうのだ。







06.7.22