「シューテム・アップ」

SHOOT'EM UP
2007 アメリカ
監督:マイケル・デイヴィス
出演:クライヴ・オーウェン
    モニカ・ベルッチ
    ポール・ジアマッティ



クライヴ・オーウェン主演の、ありえへん と言いたくなるシーン連続のアクション映画「シューテム・アップ」。


気がつくと、ヨレヨレの ぞろっと長いコートを着て、やさぐれた世捨て人みたいな風情の役どころのイメージがつきつつある(ような気がする)クライヴ・オーウェン。今回もそんな雰囲気だが、ずば抜けた射撃の腕と、自家栽培のにんじんという妙なアイテムで、ほかとは差別化を図る。


香港のアクション映画を意識したという銃撃戦では、ありえないほど見事な射撃の腕を有する主人公スミスが、ありえないワザを連発。手近の物を足場や盾や武器にする様はたしかに香港映画、ジャッキー・チェン映画を思いだす。パラシュートを背負って飛行機からダイブし、パラシュートを開くまでのほんの短い間に、同じくダイブして追ってきた敵を上空何千メートルの空中で撃ちまくるシーンでは、『ムリやろ!そんなこと!!』と、もう笑うしかない。その敵のうち1人を、通りすがりのヘリコプターのプロペラへ突っ込ませてバラバラ、という荒技もあり、ほかの痛そうシーンも含め、そりゃR-15だよ、と思いつつ見ていた。


スミスを追うマフィアのボス、ハーツを演じるのは、見るからにいい人顔のポール・ジアマッティ。妙に嬉々として演じている感じもいい。

あとあと『銃撃シーンの印象しか残ってない』ということになりそうな気がするので、話の筋を→


スミスの目の前で女性が殺され、遺された赤ん坊を見殺しにできず旧知の女性ドンナとともに連れて逃げるが、赤ん坊の命を狙う組織がなおも追ってくる。その裏には、銃規制を掲げて大統領選当選が確実視される上院議員が骨髄の病気で、ドナーとして自らのDNAを受け継ぐ子供をひそかにつくらせていたこと、さらに議員の公約に反対する銃器会社が議員の治療を邪魔するために、ドナーとして生まれた赤ん坊や関係者を、マフィアを雇って消していたことがわかる。そのため、赤ん坊を助けたスミスらも狙われることとなった。
マスコミにリークしても握りつぶされ、さらにはスミスを消すため議員と銃器会社が手を組んだ時、スミスは、赤ん坊が殺される理由をなくすため、議員を暗殺する。しかしそれも事故として処理され事件は隠蔽される。そして、なおも執拗に赤ん坊を狙うマフィア、ハーツと最後の対決をする。




08.8.6