映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「幻影師アイゼンハイム」

THE ILLUSIONIST
2006 アメリカ=チェコ
原作:スティーヴン・ミルハウザー
監督:ニール・バーガー
出演:エドワード・ノートン
    ジェシカ・ビール
    ポール・ジアマッティ



よく行く書店でよく見かけるスティーヴン・ミルハウザーの小説が原作の、「幻影師アイゼンハイム」。


この映画、宣伝のコピーなどが、妙に煽りすぎではなかったか。あのコピーがなかったほうが、もっと純粋に楽しめた気がするのだが。


幻影師の手による仕掛けがミソの後半の展開だが、奇術師や手品師、超能力者などを描いた物語においては、既視感のある展開だ(必ずしも同一のタイプではないが、最近のものなら「プレステージ」など)。別にそれがダメだというわけではない。古来から “物語”というものが もう出尽くしているならば、それがどういう物語か、ということよりも、それをどう描くか、のほうがむしろ重要だ。


19世紀末〜20世紀初頭の時代設定ゆえの、画面の四隅にいくにつれ、ぼやけて暗くなっているような、古い写真のような質感の映像が美しく、ポール・ジアマッティなど脇役も含めて出演者がいい。たとえ仕掛けが読めたとしても、そのことと映画のよしあしは別だ。


だからこそ、この映画が本来持つ良さとは違ったものへの期待感を煽りすぎた感のある宣伝文句が、余計だった気がしてしかたがないのだが。


フィリップ・グラスの音楽が美しい。「めぐりあう時間たち」の音楽もグラスではなかったか。急にあの映画を思い出した。


今回悪役のルーファス・シーウェルは、むしろいい人の役だった「トリスタンとイゾルデ」の時と同じく、“ほかの人がどうしても忘れられないからと、結婚しようとした女性に去られてしまう”役だ(あたり役なのか?)。


意外だったのがジェシカ・ビール。これまで見たことのある作品が「テキサス・チェーンソー」や「ステルス」などだったせいか、どうも強い女イメージだったが、ドレスを着るような時代ものの役が、こんなにも似合って可愛いとは。






08.12.29