「エル・スール」

エストレリャ ― 甘美な響きの名
冒頭、青い窓 しらんでゆく、暗い部屋
父の振り子を見て、ひとすじの涙を流す 美しい
冬、庭の池で、凍った帆のある舟 
風見のかもめが屋根にいる“かもめの家” “田舎と街の間にぽつんとある家”
父:アグスティン 母:フリア 父の乳母:ミラグロス
あかるむ部屋に安堵をおぼえる 六芒星の指輪  エンドロールに音はない


1957年秋、自殺した父
青くなってゆく窓の外 枕の下にある小箱に入った、振り子を握りしめる
家出した頃から振り子を使わなくなった父
女の存在―イレーネ・リオス
家の中の重苦しい空気に抗議するため、ベッドの下にもぐった
母と違い、探してはくれない父
屋根裏から一定間隔で響く、杖で床を叩く音で、父が家にいると知った
探しに来てくれるのを待ったのに
私の沈黙の挑戦に対して 沈黙のゲームで応える父を見て、
父は、私より悩みが深いのだと気づいた


自転車に乗って並木道を走るエストレリャ
15歳になったエストレリャが自転車に乗る姿と重なり、シーンが変わる
初聖体拝受の日に、父と踊った、エン・エル・ムンド
その曲を再び聴いた時、思い出した レストラン―話したのはそれが最後
猟銃自殺
長距離電話の領収書が見つかった 死ぬ前の晩に、南へ電話したのか


(荷物を詰めたトランクを上から撮る)振り子を入れ、領収書を挟む
タクシーが来て、南へ旅立つところで映画は終わる
“はじめて エル・スールを知るのです”






2009.4.14/4.17