「マジック・マイク」

MAGIC MIKE

2012 アメリカ

監督:スティーヴン・ソダーバーグ

出演:チャニング・テイタム

    マシュー・マコノヒー

    アレックス・ペティファー

    マット・ボマー

 

男性ストリッパーを描いた映画ということで、ダンスシーンなどに見られる派手さ・きらびやかさで、だいたい全編を通して描くのかと思ったら、意外にも、低調と言うと少し違うかもしれないが、抑えた感じに思える。そうだ、スティーブン・ソダーバーグ監督作品であった。あくまでも主観であるが、ソダーバーグ監督作品は、オーシャンズシリーズのような、エンターテインメント性を重視した作品ほど、あと少し、というところ、沸点の一歩手前で盛り上がりを抑えているような、そんな印象がある。もちろん、マシュー・マコノヒーの強烈演技などの見どころもあるのだが。

 

つい最近公開されていた「ペーパーボーイ 真夏の引力」(2012)でも、びっくりするようなシーンのある役柄を演じていた(この場合は、演技が強烈というより役柄が特徴的だったのだが)、マシュー・マコノヒー。ここのところすっかり、“怪演” “怪優” と評される路線をひた走っているようである。「評決のとき」(1996)などの頃(リアルタイムに映画館で見たわけでいないが)から後、しばらくは、二枚目路線の俳優だと思っていた。怪演タイプの俳優としての片鱗を最初に感じたのが「サラマンダー」(2002)である。その後、筋骨隆々のアクション路線へ転向か、と思っているうちに、単なる二枚目にとどまらない、ある種振り切ったような、強烈な味わいのある演技を披露するように。本作はまさにそのひとつ。このまま、怪演、怪優と呼ばれる道を究めていってほしいかぎりである。

 

 

2013/8/25