「ネコのミヌース」「5時から7時までのクレオ」 気になって気になってしかたのない猫映画。

猫が出てくる映画、となるととにかく見たい。


オランダ映画「ネコのミヌース」は、化学薬品を舐めて人間になってしまった猫・ミヌースが、ひょんなことから知り合った新聞記者に協力して、街の猫ネットワークを使ってニュースを集める。


猫同士が人間の言葉で喋るし、まず人間になってしまう時点でなんでやねんと言いたいところが、もはや猫に気をとられてしまってそんなヒマもない。人間になってからも犬が来ると怖くて木に登ったり、屋根伝いに窓から出入りしたり、揺れる物に思わず手を出して遊びそうになったりと、猫時代のクセが抜けないミヌースがかわいい。魚と聞くと目の色が変わる。そして、猫といえばやっぱりこれ、の猫の集会。猫会議。


児童文学が原作としてあるからか猫が喋ったりする作りになっている「ネコのミヌース」とはまた違って、ロシアの映画「こねこ」は、特殊効果も使わず、ただ本物の猫がいっぱい出てくる、猫満載・猫大量の、猫好きにはたまらない映像。


猫が主人公ではない映画でも猫が印象的なものがあり、たとえばよく知られたところでは「ティファニーで朝食を」だと思うが、アニエス・ヴァルダ作品「5時から7時までのクレオ」は、主人公クレオが自分の部屋に帰ってくると何匹もの猫がいて、絨毯の端のフサフサにじゃれついてコケたり絡まったり、訪ねてきた知人の肩に乗ったりしているが、ストーリーの本筋に猫は全く関係なく、登場人物たちの会話の俎上にものぼらない。当たり前のようにただ居る。猫好きの思う理想の姿のような猫が描かれる。






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