「軽蔑」LE MEPRIS
1963フランス
出演:ミシェル・ピコリ
ブリジット・バルドー
フリッツ・ラング
ミシェル・ピコリ演じる劇作家ポールはフリッツ・ラングの新作「オデュッセイア」のシナリオを書き直すことに。
ミシェル・ピコリですぐに思い出すのは、「汚れた血」や「五月のミル」など80年代以降の作品。だからあんな若い頃のピコリを初めて見た。帽子をかぶったままバスタブに浸かり、大きなバスタオルをギリシャ彫刻のように巻きつけるのが面白い。
主人公ポールのフラッシュバックが唐突に挟みこまれて、記憶とは、ちょうどこんな感じのものだ、と ふと思う。
印象に残る言葉がいくつか出てくる。劇中の試写スクリーンの下に記された『映画は未来なき発明品である −ルイ・リュミエール』というものや、『映画は欲望がつくる世界の視覚化である −バザン』、『世の中に在るは学と徳を知るため、生くるためにあらず −ダンテ』 など。
映画に現実が侵入し、現実に映画が侵入する。
06.6.22