「今宵、フィッツジェラルド劇場で」
A PRAIRIE HOME COMPANION
2006 アメリカ
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ギャリソン・キーラー
出演:メリル・ストリープ
リンジー・ローハン
ケヴィン・クライン
ウディ・ハレルソン
トミー・リー・ジョーンズ ほか
07 4 18
2006年に亡くなったロバート・アルトマン監督の、最後の新作だった「今宵、フィッツジェラルド劇場で」。
実在する公開ラジオショーを描いているが、ライブシーンの生き生きとした歌声、緊張感漂う様子が素晴しい。進行が滞った時に、商品CMと絡めながら即興の喋りと声真似でつなぐシーンの楽しさは格別だ。
ベテラン歌手の楽屋での死、“謎の女”(天使?)が絡むテキサスの企業家の事故死。エドワード・ホッパーのダイナーの絵を思わせるような夜のダイナーに、その女が再び現れ、“もしや”と思わせるラスト… そして、ストーリーそれ自体が、ラジオ番組の“最後の日”を描く。
そんな作品が遺作になるとは、監督が亡くなったことは悲しくてしかたないのに、遺作にふさわしいのかもしれない、とすら思えてくる。死を悲劇として描かず、それも人生の一幕として描き、味わい深く余韻を残す。
ロバート・アルトマン監督の群像劇、その有終の美を飾ったこの作品。
それでも、やっぱり寂しくなる。
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