映画と2008年

2008年、自分にとっての“今年の10本”。ここのところ毎年、年末になると密かに、勝手に決めている。2008年ももう、そんな時期になってしまった。


この10本だが、1〜4などは特に印象的だった作品。明確な順番などつくものでもなく、その時の気分によって入れ替わるくらいの 便宜上のもので、そういう意味ではどれもが 1 とも言える。


古い作品で、今年になってからようやく見る機会のあったものでは、やはり「はなればなれに」と「8 1/2」が素晴しかった。〈大阪ヨーロッパ映画祭〉で見た「アラビアのロレンス」も、スクリーンで見るのは2度目だが、やはり素晴らしい、特別な作品だ。


映画ファンとして悲しいことといえば、名監督、名優の死である。それはなにも今年に限ったことではないが、それにしても2008年も多くの人が去った。


年が明けたばかりの1月だけでも、ヒース・レジャーブラッド・レンフロら あまりに若い俳優の死が報じられ、その後、チャールトン・ヘストンポール・ニューマンという大スターの名優も逝き、市川崑アンソニー・ミンゲラなどの監督も亡くなった。また、特殊効果のスタン・ウィンストンや、映画の原作となった作品を書いた小説家アーサー・C・クラークらのように、監督や俳優とは違った形で映画を支えた人々も多く亡くなった。


新しいシネコンが派手にオープンする中、ひっそり閉館する映画館があるのもまた寂しいことだ。


2008年は、1年半ほども更新せずそのままになっていたこの映画日記を再開した年でもあった。昨年ごろからつい最近まで、これだけはどうしても、という作品だけはかろうじて見に行くものの、思うようには映画館へ行けない状況が続き、秋もしばらく過ぎたころ、ようやくほぼ以前のように見に行ける状況になってきたのだった。


しかし映画日記は滞り気味だ。11月に、映画とはまったく関係のないことでかなりがっくりくることがあり、そのあたりからどうもなかなか書けなくなってしまった。でもこの映画日記は、せっかく見た作品を、自分の中に残っている間に記録してゆこうということもあって書いているものなので、秋以降のぶんも、1月にでもまた書いていこうと思う、すっかり年が明けてからというのもなんだが。



2008年12月31日


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