エリック・ロメール監督

つい先程知り、驚いた。


エリック・ロメール監督が、今月11日、パリで亡くなったという。現時点では死因は明らかにされていないようだが、その1週間ほど前から入院していたという。89歳だった。


ロメール監督の作品で思い出すのは、「レネットとミラベル 四つの冒険」だ。もうずいぶん何年も前にこの作品のことを知った時、映画の中に出てくる、夜が明け始めるほんの一瞬前、夜と朝のはざま、音すらもしなくなる “青い時間”― それを、見たい見たいと思っていたのだった。ようやくこの映画を見る機会が巡ってきた時には、映画の中の二人のように、青い時間を心待ちにした。


ロメール監督が、監督業からの引退を表明され、最後の作品となると語った「我が至上の愛 アストレとセラドン」。遺作となったこの作品を、公開時に映画館に見に行けなかったことが寂しい。もちろん、これから見る機会もあるだろう。しかし、その時にはもう、ロメール監督が亡くなったことを思いながら見ることになってしまう。


そしてついこの間、12月に、ロメール監督も参加した1965年のオムニバス作品、「パリところどころ」を見たばかりだった。


ヌーヴェル・ヴァーグの監督が、またひとり、いなくなってしまった。



合掌






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