テオ・アンゲロプロス監督

今朝4時過ぎ頃だったか、ギリシャのテオ・アンゲロプロス監督の死を知った。


つい2日前の1月24日、首都アテネに近いピレウスで、バイクにはねられて頭部を負傷、脳出血により76歳で亡くなった、新作 "The Other Sea" の撮影中であった、と。

アンゲロプロス監督は、長回しと、独自の静謐な映像、
歴史や国境をテーマとした作風が特徴だった。
カンヌ国際映画祭グランプリ受賞の 「ユリシーズの瞳」(1995)、
同じくカンヌで 最高賞パルム・ドールを受賞した
「永遠と一日」(1998)などの作品で その名を知られる。
20世紀三部作の第1部にあたる 「エレニの旅」(2004)は、
ギリシャ現代史を題材とした 3時間近くに及ぶ大作で、
第2部にあたる 「第三の翼」(2009/現時点では仮題)は、
ずいぶん間が空いてはいるが、日本公開が決まっているという。
撮影中だった "The Other Sea" が 第3部にあたるようだが、
20世紀3部作が完成することは なくなった。


「永遠と一日」 が、今でも思い出深い。ブルーノ・ガンツが、自らの死期を予感して旅に出る詩人を演じていた。


ユリシーズの瞳」 より以前の作品を、監督の生前に見ることは とうとうできなかった。
これから 上映される機会も たしかにあるかもしれない、しかし、新作が作られることは 二度とない。


監督の新作を待っていた。



合掌






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