「アンタッチャブルズ」
De l'autre côté du périph
ON THE OTHER SIDE OF THE TRACKS
2012 フランス
監督:デビッド・シャロン
出演:オマール・シー
ローラン・ラフィット
一言でいえば、相棒ものの刑事コメディ。日本でも昨年ヒットした「最強のふたり」に出演していたオマール・シーは、「最強~」の時とほぼ変わらないようなキャラクターを演じているが、それが似合う。相棒刑事を演じたローラン・ラフィットは「クリムゾン・リバー」に出演していたとのことだが、そちらはまったく覚えていなかった。
日常に起こり得る人種差別をさらっと織り込むシーンもあるものの、別段、説教くさいわけでもなく、主人公らがそれを逆手に取るようなシーンも描かれる。なおかつ、ガタイがよく、世渡りも心得ていそうなウスマン(オマール・シー)が、子供の頃いじめられていたとか、エリートで女性に目がないフランソワ(ローラン・ラフィット)が、厳格な父との間に確執があったらしいことなどにも、さらっと触れはするが、触れるだけで、あえて深くは掘り下げない(ウスマンの過去については、劇中出てくる団地に、“幼少時住んでいた” という点が、ストーリーに直接的な関わりがあるにはあるが)。過去を理由に、トラウマを持った人物として描くわけでもなく、過去はあくまでも、その人物の “背景” にとどまっている。
それらのことにさらっと触れ、あえて掘り下げることなく、コメディの体裁を保つという、そのバランスがちょうどいい。
2013/3/13