特集上映〈イングマール・ベルイマン 3大傑作選〉

イングマール・ベルイマン監督 生誕95周年

2013/8/17~9/6上映(大阪)

3作品すべてデジタルリマスター版

 

 

イングマール・ベルイマン監督(1918-2007)、1950年代の代表作3本を上映。

 

「第七の封印」と「処女の泉」の2本に関しては、特に宗教的表現が色濃いが、監督の、人間そのものを追究しようとする姿勢により、宗教観の違いを超えて、観客の内面に訴えかけてくる作品である。「野いちご」に描かれている、記憶や過去が人生に常についてまわり、影を落とす様もまた、人の心というものを非常によく捉えた表現である。

 

 

この3本ともに出演(「第七の封印」と「処女の泉」では主演)しているマックス・フォン・シドーは、真の名優と呼べる俳優のうちの一人であると、映画ファンとして、常々思っている。中世の騎士を演じた「第七の封印」では、騎士の抱える虚無感までをも その眼で物語り、同じく中世が舞台の「処女の泉」では、娘を殺された父親の、言い尽くせぬ絶望と苦悩を表現した。そして「野いちご」では、一転、ガソリンスタンドの気さくな店主を演じている。

 

なおかつ、ベルイマン監督のこれらの作品から50年以上経った今も現役で、自国スウェーデン以外のヨーロッパ映画や、アメリカ映画にもコンスタントに出演、才能・実力・技術を発揮し、映画の世界で活躍し続けている。並大抵のことではない。まさに大俳優である。

 

 

「処女の泉」(1959)について:8/21の日記

「第七の封印」(1956)について:8/21の日記

「野いちご」(1957)について:8/25の日記