「ありふれた事件〈HDリマスター版〉」
C'est Arrive pres de chez vous
1992 ベルギー
原案:レミー・ベルヴォー
製作・監督:レミー・ベルヴォー
アンドレ・ボンゼル
ブノワ・ポールヴールド
脚本:レミー・ベルヴォー
アンドレ・ボンゼル
ブノワ・ポールヴールド
ヴァンサン・タヴィエ
出演:ブノワ・ポールヴールド(ベン)
レミー・ベルヴォー(レミー)
アンドレ・ボンゼル(アンドレ)
ジャン=マルク・シェニュ(パトリック)
モノクロ。フェイク・ドキュメンタリー仕立てが、のちのPOV手法の映画に影響を与えたという、1992年のベルギー映画。
日本で知られていない俳優、つまり、ほかの出演作のイメージがついていない俳優だからか、撮影手法のせいか、暴力シーンも会話もいやに生々しく、そして後味が悪い。この後味の悪さを観客に味わわせたことは、この作品においては成功ということだろう。
殺人者であり強盗でもある男ベンの日常をカメラにおさめ、ドキュメンタリーを制作している、という設定である。撮影クルーは、監督のレミー、カメラのアンドレ、録音のパトリック。撮影だけのはずが、殺人現場に同行するうち、クルーの感覚も壊れてゆき、死体処理を手伝い、ベンの殺人や常軌を逸した行動に加担するまでに至る、というもの。そして、当然の報いであるとも言える、悲劇的というよりはあっけない最期。
2014/3/23