映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「レッドクリフ PartⅡ ―未来への最終決戦―」

赤壁 決戦天下
RED CLIFF Ⅱ
2009 中国=アメリカ=日本=台湾=韓国
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン
    金城武 ほか



公開から2ヶ月以上経って、やっと見に行った続編、「レッドクリフ PartⅡ」。


もともと、史実でなく『三国志演義』をベースにしたものとはいえ、それにしても、演義と比べても結構なアレンジがなされているなぁと、愛読していたのは子供の頃ゆえ、記憶を手繰りながらそう思って見ていた。


本人も公言しているという、ジョン・ウー周瑜好きはよくわかる。赤壁の戦いといえば、監督がたとえジョン・ウーでなくとも、王道的な描き方をするなら、一般に、諸葛孔明周瑜の2人を中心とした展開におのずとなってゆくものだが、この作品では周瑜の比重が大きい。なんせ、終盤には、曹操と1対1で対峙する場面まである。


一方、孔明はといえば。赤壁で特に孔明の見せ場となるエピソード(あくまでも演義をもとにした場合だが)、濃霧の日に、藁や案山子を積んだ船団を敵陣に向かわせ、それを奇襲と勘違いして敵が射た矢を頂戴して、10万本の矢を調達するエピソード。あれは、まぁ描かれている。


しかし、もうひとつの有名なエピソードの扱いはけっこう軽い。気象に通じた孔明は、その時期、長江周辺に東南の風が吹くことは経験上知っていたが、あえて、祭壇を作らせて風を呼ぶ祈りを捧げる演技をし、自分が東南の風を呼んだとして孫権周瑜側に恩を売り、また、神通力があるように思わせて恐怖感を抱かせる、というあれだ。


孔明が風を待つ場面はあるにはあるが、わりとサラッと通り過ぎる感じで描かれている。赤壁の戦いにおいては、東南の風が吹くことこそが、孔明周瑜らが勝利するのに最も重要な要因のひとつであったことを考えれば、描かないのはちょっともったいないというか。祭壇で祈りを捧げる様子などは、きっと、映画的に非常に見栄えのするクライマックスになったと思うのだが。予算の都合とか?(ほかであれだけお金かけて、祭壇の場面だけ足りない、などということもないか。)


しかし。なんといっても、この映画でもっとも残念なのは、曹操があまりに小者として描かれてしまっていることだ。女性ひとりにこだわる様子など、どうも天下の覇権を手中におさめようと目論むほどの男に見えない。戦国時代であるから、実際のところは、誰が善で誰が悪、というものではないが、『三国志演義』として、物語としては、どうしても、曹操が悪玉、劉備が善人、という描き方をされるのが常。ならばその “悪役”を、よりかっこよく描けば描くほど、見応えのあるものになったと思うのだが。かつて “乱世の奸雄” と言われた頃のような(占い師が曹操をそう評したというエピソード)、不敵で、壮大な野望を抱いた曹操として描いてくれていれば…。


そして、もうこれを言うのはいったい何度目だ、という話だが。やっぱり、トニー・レオン周瑜役と金城武孔明役を逆にしてほしかった、と。三国志でもっとも敬愛する諸葛孔明を、自分の好きなトニー・レオンに演じてほしかったというだけなのだが(イメージもこちらのほうが合うんじゃないか、と)。で、“美周朗”と言われるほど男前だったという周瑜金城武が演じたら、ちょうどよかったじゃないか、と。






09.6.24