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映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「ポゼッション」 斬新ホラー

The Possession

2012 アメリカ=カナダ

監督:オーレ・ボールネダル

出演:ジェフリー・ディーン・モーガン

    キーラ・セジウィック

    マディソン・ダベンポート

    ナターシャ・カリス

    グラント・ショウ

 

市内で一館しか上映がなく、あやうく気づかずに見逃すところだったのを、新聞の文化欄で偶然知ったこの作品。

 

映像や演技にB級感が匂わず(B級というと、ただ規模が小さかったり無名だったりするだけで、その分アイディア勝負をしている “いいB級” と、本当にただ単に内容的にB級なだけの場合とがあるが)、これは当たりだ、と 見始めてわりとすぐに思った。なおかつ、“すぐに本題に入る” タイプの作品だ。ホラーはやはりそのほうがいい、ホラーに長い前置きはいらない。主演ジェフリー・ディーン・モーガンの出演作を(顔と名前を認識した上で)見るのはこれで3作目だが、この作品での演技がいまのところいちばんいい(子役も巧い)。

 

実話だとうたっているが、その点は置いておくにしても、木箱の中に悪魔がいる(=封印されている)というこの設定、悪魔が封印されるのはほかのホラー作品でもあるが、箱の中に “住んでいる” ことを連想させる表現が、この作品の場合は面白い。

 

ホラー好きの目から見ると、細部のアイディアも秀逸。鏡や写真に写る/写らないという表現は定番だが、この映画には、“病院での検査時、MRI 画像に悪魔が写る” というシーンがあり、そういえばこれは意外と見たことがない。かなり斬新だ。悪魔祓いをキリスト教の神父ではなくユダヤ教のラビに頼んだり(=箱の外側に書かれた言葉がヘブライ語だと判明したため)、その若いラビが唱える祓いの文言がまるでラップかと思うような口調だったりもする(このラビは、最初の登場シーンでは音楽を聞いている)。そんなふうに、祓う側の人物像も斬新なら(若い、という点でもそうだ、これまでは、若い神父が出てきても、対処しきれずに年配の重鎮に助けを仰ぐ、というようなのが主流だった)、悪魔も悪魔で(たしか、アビズーだったか)、まるで “のどから手が出るほど” という比喩をそのまま映像化したかのごとく、主人公の口から手を突き出して這い出てきたり、ラストで現したその姿はまるで宇宙人、祓われて箱に戻る描写のシュールさときたら。

 

そして、斬新な細部に対し、“この事象に関わった者に 災厄は必ず訪れる” と言わんばかりの定番ラストは、安定のホラークオリティと言える。公開規模の小ささが残念になるほど、よく出来ていた。

 

 

2013/6/12