第78回アカデミー賞

今年はなんと言っても作品賞での驚きに尽きる。「クラッシュ」の受賞だ。十中八九「ブロークバック・マウンテン」にいくだろうと予想していた。


今回の作品賞ノミネート作品は、社会派と言われる題材の映画がそろったものの、たとえば宗教の違いや思想の違いでかなり見方の分かれそうな微妙な問題を取り扱った作品には触れるのを避けた、ということだろうか。


アン・リー監督の、アジア人初の監督賞受賞はほんとうに嬉しい。フィリップ・シーモア・ホフマンの主演男優賞もファンとしては嬉しく、あれ程器用に様々なタイプの役をこなすだけに、それゆえいずれ受賞することがあったとしてもどちらかといえば助演賞ではないかと想像していた(その俳優が持たれているイメージとは違うほうを受賞することがたまにある。ロビン・ウィリアムスの助演賞、など)。「カポーティ」の公開が待ち遠しい限り。


俳優部門はなんにせよ最も下馬評の高かった俳優が獲った感じだが、今年はもう どの賞も、すべて作品賞の驚きが覆ってしまったような印象だ。







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