「モンゴル」

MONGOL
2007 独=ロシア=カザフスタン=モンゴル
監督:セルゲイ・ボドロフ
出演:浅野忠信
    スン・ホンレイ
    クーラン・チュラン



アカデミー賞ノミネートのよほど前、“浅野忠信チンギス・ハーン役で撮影中”という話を小耳に挟んだ時から、題名も知らぬままぜひとも見たいと思っていた「モンゴル」を、やっと見ることができた。


好きかどうかと言えば好きだが今まで何本も見逃してしまっている浅野忠信の出演作品。じっくり映画館で見られてよかった。


独=露=カザフスタン=モンゴル合作の映画で、ほかに日本人の出演者もおらず、外国人俳優ばかりの中で、人種や母国語が違うことを見る側に意識させず、当たり前のようにすんなりと、違和感なく、“この映画の中の人”になっていたのは実に見事だ。


人の上に立つ、選ばれし者としての厳しさを湛えた目を見せる場面でも、驚くほど寛容でおおらかな側面を見せる場面でも、長い髪を振り乱してボロボロの姿をしている場面でさえも とても魅力的に映る(浅野忠信本人による馬に乗っての戦闘シーンは、意外というかびっくりというか、かなりかっこよかった。怖いくらいの迫力のあるシーンになっている)。あの不思議な魅力はどこからくるんだろうといつも思う。


そういえば、「モンゴル」公開の時に、とある関西ローカル番組のインタビューで、「勝手にそう思ってるだけなんですけど、自分では大阪の女の人にもてると思ってるんですよ」とにこやかに話していた(大阪の女性から好きだと言ってくれることがわりとあるから、と言っていた)。






08.4.30