「ソウ6」 今年の秋も。

SAW Ⅵ
2009 アメリカ
監督:ケヴィン・グルタート
出演:トビン・ベル ほか



思えば、シリーズ1作目と、2作目以降とのテイストの違いは、1作目が予想以上のヒットとなったために、次から次へとつけ足していった感がありありと見えた(あくまでも自分の印象であるが)。凝った装置を使っての残虐描写は、ホラーファンには訴えるものがあっただろうが、ストーリーそのものは、とにかく、あとづけ感・こじつけ感がどうしても感じられた。だからこそ、どんなに残虐描写がエスカレートしていっても、シリーズ中もっとも出来がいいのは、アイディアで見せきった1作目だ、と思ってきた。


しかし今回の6作目では、これまでに感じられたあとづけ感・こじつけ感が緩和された気がする。今までのエピソードや設定を、かなりうまく使ってまとめた感じだ。


ちなみに、1作目のダニー・グローバー、そして、ジグソウとしてシリーズ中 当然ながらもっとも存在感のあるトビン・ベルを除くと、こう言ってはなんだが、俳優の印象が非常に残りづらいのも、このシリーズの特徴である。


「ソウ3」か「ソウ4」あたりでは、FBIストラム捜査官とホフマン刑事の顔と名前がごっちゃになっていた(今は判る…はず)。正直、さして重要でもなさそうだと思い、それほど注意深く見ていなかった登場人物が、シリーズが進んでもあとあと出てきたりするので、だんだん、誰だこれ、という感じになってくることがある。


とりあえず、晩秋恒例の年中行事としてのソウシリーズ鑑賞に、今年も懲りずに行ってきたのだった。


「ソウ7」も作られるのだろう、きっと。






09.11.9