「世にも怪奇な物語〈HDニューマスター版〉」

〈オムニバス〉
1967 フランス=イタリア


黒馬の哭く館
監督:ロジェ・バディム
出演:ジェーン・フォンダ ピーター・フォンダ


影を殺した男
監督:ルイ・マル
出演:アラン・ドロン ブリジット・バルドー


悪魔の首飾り
監督:フェデリコ・フェリーニ
出演:テレンス・スタンプ



エドガー・アラン・ポーの怪奇小説が原作であり、なおかつ、監督・出演者の名を見ただけでも惹かれるようなオムニバス作品である。


1・2本目は、時代ものの衣装などもあいまって、美しさが際立つ。もっとも悪夢的なのは、唯一の現代ものでもある3本目か。まさに、フェリーニの混沌だ(フェリーニ作品をすべて見ておらずに言うのもなんだが)。悪魔か、それとも幽霊か、毬を持った少女の白塗りは、日本的な幽霊のようにも見えた。


1本目、ジェーン・フォンダの表情の美しさが素晴らしい。城や衣装がこの作品の現実離れを演出するが、その中にあって彼女は、一見人形のように整った風貌で、生身を感じさせないほどながら、表情の端々には妙に生々しさがあり、それが非常に魅力的だった。






10.11.4