「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」
〈3D〉
PINA
2010 独=仏=英
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース
出演:ピナ・バウシュ
ヴッパタール舞踊団ダンサー ほか
人間の体の動きというものの美しさを見て、思った。
日々、こんな美しいものを、本当に目にしているのか? 踊っているかいないかの問題ではない。“動き”だ。
日常に目にする人間の“動き”を、美しいと思いながら見ているかと思い返せば、決してそうではない。常に、日々というものに、日常というものに追われている。美しいと思いながら見る余裕など、ないに等しい。
しかし、ダンスという“形”になって初めて認識する美しさ、というものが、確かにあるのだ。さればこそ、ダンスをたしなむ訳でもなければ、ダンスの知識がある訳でもない自分にも、そこにダンスの意味を見出だすことができる。
ピナ・バウシュを知ったのは、映画「トーク・トゥ・ハー」だった。登場人物が見に行くのだ、ピナの作品、『カフェ・ミュラー』を。
2012.3.11