「ローマ法王の休日」 Habemus Papam (2011伊=仏)
現ローマ教皇ベネディクト16世が、今月28日に退位すると、昨日、枢機卿会議にて表明したという。本来は終身制。存命中の教皇が自らの意思で退位することは非常に稀である。
現在85歳、ドイツ出身のベネディクト16世は、2005年に教皇に就任。退位の理由については、高齢のため、教皇の職務をじゅうぶんにまっとうできなくなった、と自ら判断したとのことである。
3月末までに、80歳未満の聖職者の中から次の教皇が選ばれるという。
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ローマ教皇の選出、コンクラーベ……と聞いて、思い浮かぶのが、日本では昨年公開された映画、「ローマ法王の休日」だ(簡単にではあるが調べてみると、マスコミ等でいまだ法王と教皇が混用されているものの、カトリック中央協議会が、1981年2月、ヨハネ・パウロ2世の来日を機に、“ローマ教皇”で統一してほしいとの見解を示した、とのことなので、ここでは、この映画タイトル以外はすべて“教皇”と書く)。
「ローマ法王の休日」は、新しく選出された教皇が、あまりの重責に耐えきれず、就任の演説をしなければならないその瞬間まで、迷い、悩む物語である。監督は、イタリアのナンニ・モレッティ。今回のベネディクト16世退位に伴い、この作品を見てみようという人もいるかと思われるが、監督の特徴的な作風が際立つ作品なため、見る人によって好みが分かれるところかもしれない。ただ、冒頭で描かれる、件のコンクラーベのシーンなどは、この作品を好きか嫌いかに関わらず、非常に興味深いものであるかと思う。
ほかに、コンクラーベを劇中で扱った映画といえば、トム・ハンクス主演、「ダ・ヴィンチ・コード」の続編(原作小説では逆の順序)である「天使と悪魔」もそうだが、こちらは、いわゆる大作映画、いかにもハリウッド的な作品。“それらしい映画” を見たいなら、どちらかといえば、「ローマ法王の休日」のほうだろうか。
この映画日記でも、「ローマ法王の休日」と「天使と悪魔」については以前に触れた。
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