映画日記/記録

“Oh Captain, my Captain!” - 「いまを生きる」( Dead Poets Society / 1989 アメリカ / 監督:ピーター・ウィアー )

「レッドクリフ PartⅠ」

赤壁 RED CLIFF
2008 中国=アメリカ=日本=台湾=韓国
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン
    金城武 ほか



漢の時代に三つの国が成立していた頃の中国の、歴史に名を残す人物やその戦を描いて日本でも有名な『三国志』(物語として脚色されたものが『三国志演義』で、史実とは別である)。中でも、三国成立前夜の、とくに激戦として知られ、『三国志演義』でも見せ場のひとつである、西暦208年、赤壁での戦を映画化したのが、この「レッドクリフ」2部作である。


当然、見に来る観客は三国志ファンばかりではないということで、映画そのものが始まる前に、背景の簡単な解説が入るが、字幕版を見に行ったのに解説の音声は日本語なので、間違って吹替えを見に来てしまったかと一瞬あせって紛らわしい。三国志を知っている観客には退屈な解説だ。登場人物の最初の登場シーンで役名が入るのはいいが、時間が空いて再び登場した時にもまた、何度も名前が出るのも、少々うるさい。


のちに蜀を建国する劉備の軍師・諸葛孔明と、劉備と同盟を結んで赤壁で戦う呉の提督・周瑜が中心の展開である。孔明金城武周瑜トニー・レオンが演じているが、以前にも書いていて しつこいようだが、この二人、逆ならよかったのに、と相変わらず思っていた。三国志では諸葛孔明がもっとも好きで、なおかつ、俳優トニー・レオンが好きなので、トニー・レオン孔明を演じてほしかったわけだが。


しかし、わりにあっさりと登場する金城孔明に対し、タメにためた登場の仕方のトニー周瑜をみると、監督ジョン・ウーが “三国志の中では周瑜がいちばん好きな人物” と言っているというのもうなずける気がする。


女性とどうこうというシーンは、三国志にそういうシーンはこの際なくってもいいだろうと思うから退屈だし、ジョン・ウーにそういう描写を期待していない、という感もある(白い鳩は出てくるだろうと思って見るし、実際、出てくるのだが)。曹操の、“乱世の奸雄” に見えない、ただ悪辣で女にこだわる、という人物描写もちょっと残念。


関羽張飛ら有名な武将の戦での見せ場が欠かせないのは当然だが、この2人以上に超雲の見せ場も多い。かなりかっこよく描かれている。そういえば、「レッドクリフ」ほどの宣伝をしていなかったせいか、いつのまに作られたんだという感じの、アンディ・ラウ主演の、タイトルもそのまま「三国志」という作品が公開されたが、こちらはどの辺りを描いているのかと思ったら、超雲を主人公に据えているらしい。渋い選択というかなんというか。


11月に公開されて、年が明け、2月になった今も、まだ上映館のある「レッドクリフ」。PartⅡ公開がわかっているから、ということもあるだろうが、やはり、日本での三国志人気の表れと言えるだろう。子供の頃愛読していた者としては、今ではもうすっかり忘れていたような人物の名を聞いてまた思い出し、愛読していた頃のことを思い出して、懐かしかったのだった。


そういえば、諸葛孔明の、呉に仕えていたお兄さんは、映画にはとうとう登場しなかった。






09.1.21 / 2.14