「世界にひとつのプレイブック」
Silver Linings Playbook
2012 アメリカ
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:ブラッドリー・クーパー
ジャッキー・ウィーヴァー
日付としては明日25日(日本時間)の、第85回アカデミー賞に、主演・助演/男優・女優の演技部門すべてに、この作品からノミネートされている(一作品から全演技部門にノミネートされるのは31年ぶり)。監督は、「スリー・キングス」「ハッカビーズ」のデヴィッド・O・ラッセル。
ベテラン勢及びあの若さで既に演技への評価の高いジェニファー・ローレンス、まさか現段階で主演賞ノミネートに至るとは思っていなかったブラッドリー・クーパーらの演技は、コメディであることや、設定にも関係してくることだが、自然さやリアリティを追求しているというよりは、誇張に寄る。もちろん、意図的にそうしているはずだ。その匙加減で、誇張が誇張に終わるか、魅力的に見えるかどうか、である。特に、主人公の父親役ロバート・デ・ニーロは、ここ数年の出演作の中でも出色の名演であると思われる。
劇中、必要以上に “いかれてる”、“いかれてる” と言われ、そういう扱いを受ける主人公とヒロインだが、ほかの登場人物も、一歩間違えばそう変わらないではないか、というふうに描かれている箇所が多々あり、では いかれているか いないかの基準は何なのか、というあたりを、さらっと皮肉っている。アカデミー賞にノミネートされている4人はもちろん、ヒロインの姉役ジュリア・スタイルズもよかった。
2013/2/24