「グランドピアノ 狙われた黒鍵」

GRAND PIANO

2013 スペイン=アメリカ

監督:エウヘニオ・ミラ

出演:イライジャ・ウッド

    ジョン・キューザック

    ケリー・ビシェ

    

 

“難曲中の難曲” として劇中使用されている「ラ・シンケッテ」は、監督自ら作曲したものなのだとか。

 

師匠が遺したグランドピアノ、ベーゼンドルファーのインペリアルを弾くこととなる主人公。

ベーゼンドルファー1828年、ウィーンで創業したピアノブランド。劇中に登場する ベーゼンドルファー Model290 インペリアル とは、ベーゼンドルファーにおける最上級モデルで、通常の88鍵の下に9鍵の低音部を拡張し、97鍵ある。誤演奏を防ぐため、その低音部の鍵盤は黒く塗られている。〈チラシ解説より〉

 

イライジャ・ウッドのピアニスト役は、相変わらずいろんなタイプの役に挑戦するのだなぁという感じで、まあいいにしても、それほど深みのない犯人役に、ジョン・キューザックとは。最近、(本人の意向かどうかは知らないが)殺人犯役などがふえてきたとはいえ、かなり拍子抜け感のある役だったが、あのぐらいの役にジョン・キューザックあたりをキャスティングするものなのか。

 

 

2014/3/28

「ローン・サバイバー」

Lone Survivor

2013 アメリカ

原作:ネイビー・シールズ元隊員マーカス・ラトレルの手記 『アフガン、たった一人の生還』

監督・脚本:ピーター・バーグ

出演:マーク・ウォールバーグ

    ベン・フォスター

    テイラー・キッチュ

    エミール・ハーシュ

    エリック・バナ

 

2005年、アフガニスタンにおいて、タリバン指導者の暗殺を目的とした、ネイビー・シールズの特殊任務 “レッド・ウィング作戦” の最中に、たった4人の隊員が、タリバン兵に取り囲まれ、死闘を繰り広げる様を描いている。たったひとり生き残った元隊員の体験が原作となっている。

 

 

2014/3/26

「ウォルト・ディズニーの約束」

Saving Mr. Banks

2013 アメリカ=イギリス=オーストラリア

監督:ジョン・リー・ハンコック

出演:エマ・トンプソン

    トム・ハンクス

    ポール・ジアマッティ

    コリン・ファレル

    ブラッドリー・ウィットフォード

    ジェイソン・シュワルツマン

    B.J.ノヴァク

 

 

2014/3/26

「ワンチャンス」

One Chance

2013 イギリス

監督:デヴィッド・フランケル

出演:ジェームズ・コーデン

    アレクサンドラ・ローチ

    ジュリー・ウォルターズ

    コルム・ミーニイ

    マッケンジー・クルック

 

 

2014/3/25

「ありふれた事件〈HDリマスター版〉」

C'est Arrive pres de chez vous

1992 ベルギー

原案:レミー・ベルヴォー

製作・監督:レミー・ベルヴォー

       アンドレ・ボンゼル

       ブノワ・ポールヴールド

脚本:レミー・ベルヴォー

    アンドレ・ボンゼル

    ブノワ・ポールヴールド

    ヴァンサン・タヴィエ

出演:ブノワ・ポールヴールド(ベン)

    レミー・ベルヴォー(レミー)

    アンドレ・ボンゼル(アンドレ)

    ジャン=マルク・シェニュ(パトリック)

 

モノクロ。フェイク・ドキュメンタリー仕立てが、のちのPOV手法の映画に影響を与えたという、1992年のベルギー映画。

 

日本で知られていない俳優、つまり、ほかの出演作のイメージがついていない俳優だからか、撮影手法のせいか、暴力シーンも会話もいやに生々しく、そして後味が悪い。この後味の悪さを観客に味わわせたことは、この作品においては成功ということだろう。

 

殺人者であり強盗でもある男ベンの日常をカメラにおさめ、ドキュメンタリーを制作している、という設定である。撮影クルーは、監督のレミー、カメラのアンドレ、録音のパトリック。撮影だけのはずが、殺人現場に同行するうち、クルーの感覚も壊れてゆき、死体処理を手伝い、ベンの殺人や常軌を逸した行動に加担するまでに至る、というもの。そして、当然の報いであるとも言える、悲劇的というよりはあっけない最期。

 

 

2014/3/23

リメイク版「ロボコップ」

RoboCop

2014 アメリカ

ジョゼ・パジーリャ

出演:ジョエル・キナマン

    ゲイリー・オールドマン

    マイケル・キートン

    アビー・コーニッシュ

    ジャッキー・アール・ヘイリー

    サミュエル・L・ジャクソン

 

 

2014/3/19

第86回アカデミー賞

おもな受賞結果

 

今日(現地3月2日)行われた、第86回アカデミー賞。 作品賞は、19世紀末、奴隷制度廃止前のアメリカで、過酷な奴隷生活を強いられた人物の伝記を映画化した、「それでも夜は明ける」が受賞。 監督賞は「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン。「ゼロ・グラビティ」は、監督賞のほか、技術系部門6部門を受賞、今回最多の7部門受賞となった。10部門にノミネートされていた「アメリカン・ハッスル」(アカデミー賞と非常に相性がいいデヴィッド・O・ラッセル監督作)は、意外にも無冠。

 

主演男優賞は、「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヒーレオナルド・ディカプリオは今回も受賞を逃してしまった、という論調で書かれることが多いかと思うが(それだけ期待を集めていたとも言える)、アカデミー賞の演技部門選出における顕著な傾向としては(あくまでも傾向であり、これが絶対ではない)、実在した人物及び過酷な人生を送った人物を描いている、“肉体改造” しての役作り、そして、シリアスな内容の作品から選ばれることが、比較的多い。 そういう点からいうと、レオナルド・ディカプリオの今回の思い切った演技は非常に素晴らしかったと作品を見た上で思うが、やはり、マシュー・マコノヒーのほうが、一歩オスカーに近い、という印象は、確かにあった(これは、どちらの演技が上だとか下だとかいう意味で言っているのではなく、あくまでも、選出の傾向において、である)。実際、主演賞の選出がドラマ部門とミュージカル・コメディ部門とに分かれているゴールデン・グローブ賞では、ディカプリオは、ミュージカル・コメディ部門において、主演男優賞を受賞している。 アカデミー賞選出の傾向においてはこうであろう、というだけの話だ。そもそも、演技の素晴らしさというのは、数値等で、絶対の優劣を表せるものではないし、だいたいアカデミー賞自体が、芸術性のみを追求しているわけではない以上、ある種の傾向や、その年ごとの “流れ” というのは、必ずある。 受賞者が素晴らしい仕事をしたことは言うまでもなく、選ばれなかった候補者とて、素晴らしい仕事をしたことに変わりはない。

 

主演女優賞はケイト・ブランシェット。 「アビエイター」で助演女優賞を受賞した第77回アカデミー賞以来、2度目の受賞。 今回、もっとも前評判が高かった。 この、ウディ・アレン監督作「ブルージャスミン」の日本での公開は5月。

 

これまでにも印象的な演技はあったのに、大きな映画賞に絡んでくることのなかったジャレッド・レトの、助演男優賞受賞が嬉しい。  助演女優賞受賞のルピタ・ニョンゴは、映画初出演なのだとか。

 

長編アニメーション部門は「アナと雪の女王」が受賞。やはりディズニーは強かった。宮崎駿監督作が受賞を逃した、とやたら言われるが、今回はもともと、引退発表を受けての、はなむけ的な意味でのノミネート、という印象があった(あくまでも主観である)。よって、ディズニー作品として史上最高のヒットを収めたという「アナと雪の女王」の受賞が、いちばん妥当かと。 かつて、「千と千尋の神隠し」が長編アニメーション部門開設の年にオスカーを手にしたが、「千と~」は受賞に値する作品であったと思うし、今回のディズニー作品の受賞も含め、それぞれが適切な評価なのでは。 このほか、レオナルド・ディカプリオ主演作「華麗なるギャツビー」が2部門受賞など(美術賞、衣裳デザイン賞)。

 

作品賞受賞の「それでも夜は明ける」は、日本では、今週末3月7日より公開。

 

 

 

2014/3/3